製造工程

Manufacturing process

一丁の鋏が出来るまでの工程数―200以上。
弊所の剪定鋏ができるまでの製造工程を厳選してご紹介いたします。

材料

様々な形状の鋏がありますが、はじめは この2本の鋼材からはじまります。細かい作業も含め、200以上もの工程を経て一丁の鋏となります。

製造工程|材料
製造工程|粗鍛造

粗鍛造

熱した鋼材を機械で成形します。片側は薄く「シャモジ型」(のちに柄になる部分)に、もう一方(刃になる部分)は平たく面を付けます。

型鍛造

金型を使用し、鋏の形に近づける作業です。熱した鋼を適温の状態(約900度)でプレスします。 一丁の鋏で使用する型は、「打ち型」「抜き型」合計で8種類あります。(金止めの場合)その後「焼き鈍し」(熱処理)を行い、加工に適した鋼組織にします。

製造工程|型鍛造
製造工程|ろう付け (ろう付けA型のみ)

ろう付け
(ろう付けA型のみ)

「ろう付け」とは、柄と別素材の刃(柄よりも硬い金属を使用します)を付ける作業です。熱した鋼の接着予定部に、ホウ酸(粉)をまぶし 真鍮(糊の役割をする金色のような金属)・刃の金属を乗せ、また熱します。
真鍮が溶けると金属同士の隙間に行き渡り、ゆっくり冷ますことで接着されます。

研削・仕組み

鋏は「切り刃」と「受け刃」がセットで一丁になります。仕組みでは、全体のバランスが良くなるようにペアを組みます。更に同じペア同士と分かるよう「あいもん」という印をつけ、ペアごとにバランスを整える作業です。
その後、切り刃と受け刃は仕上げまで別々に作業が進められます。最適なペアで一丁を作る為の大切な工程の一つです。

製造工程|研削・仕組み
製造工程|熱処理(焼入れ・焼戻し)

熱処理
(焼入れ・焼戻し)

約800℃に鋼を熱する際に炭でフタをした鉛壺に刃を入れます。鉛の中に入れることで酸化の原因となる酸素を遮断しながら、炭(炭素)を鋼の素材に浸炭させ、より丈夫な素材となります。
更に、焼入れ処理をした鋼を約200℃にまで熱する「焼戻し」を行います。すると焼入れで硬くなった鋼組織が少し綻び、硬さだけでなく「ねばり」も加わり 鋏として最適な状態となるのです。

裏スキと刃付け

裏スキは、切り刃の裏面を三次元曲面状に隙かせる作業です。受け刃は、刃前から向かって低くなるように ひねりを付けます。刃の根本から先まで“点”で重なり移動するため 皮の切り残りを無くし、切断面へのダメージを抑えると同時に、少ない力で切り抜くための秘伝の技術です。
刃付けでは、二枚貝のハマグリのような形に仕上げます。刃が枝に食い込んだ時の抵抗が少なく、切り抜け・持続性が抜群に良くなります。そのため、刃先角の鋭利さが研ぎ減り(使い減り)しても変化が少ないこともまた、特徴の一つです。

製造工程|裏スキと刃付け
製造工程|仕上げ

仕上げ

研磨・ザグリ調整・ネジ締めを行います。
一丁一丁、職人が丹精込めて仕上げております。

製品カテゴリ

剪定鋏

芽切鋏

刈込鋏

左利き型

付属品

剪定鋏

芽切鋏

刈込鋏

左利き型

付属品